レアアース調達で「脱中国」進める日米 調達先の多元化や自国生産に舵

レアアース調達で「脱中国」進める日米 調達先の多元化や自国生産に舵

米国、カナダ、オーストラリアなどでレアアース開発ブームが起こっている。日本企業は調達先の多元化や代替品の使用を進め、レアアース価格変動のリスクを避けながら調達確保を図っている。今年はレアアースの「中国依存脱却」が一段と進むだろう。3月7日、中国有色金属報が伝えた。

尖閣諸島で漁船衝突事件が起きた2010年9月以前、日本はレアアース需要の90%近くを中国に頼っていた。その後、中国がレアアースを外交カードとして使い、日本への輸出を減らしたことが、日本のレアアース調達先多元化のきっかけとなった。2012年、日本の中国への輸入依存度は56%まで減った。

双日は2013年秋、オーストラリアからレアアースの輸入を開始。豊田通商も今年、インドでの生産を計画している。とはいえ、これら国家のレアアース量は中国を大きく下回る。

尖閣事件後、日本は軽レアアースの調達先を他国に切り替えたが、重レアアースは依然として中国に依存している。特にハイブリッド車や電気自動車に使われるジスプロシウムは、新エネ車の開発と普及に欠かせない原料だ。

2月上旬、米上院議員が、中国へのレアアース依存を減らすための「2014年全国レアアース協力法案」を提出した。議員たちは、中国が世界のレアアース市場を独占し、米国経済と国家安全に悪影響を及ぼしていると考える。レアアースは軍事製品やハイテク電子製品にも広く使われるためで、法案は米国でのレアアース生産を促進し、経済の安定成長と雇用を確保すると同時に、国家の安全を守ることを求めている。

日米のこれらの動きは今のところ、中国の立場を揺るがしていないが、中国のレアアース業界は近年伸び悩み、価格の下落が進んでいる。
中国のレアアースは国内外からの影響を受けている。需要と設備能力のバランスが崩れ、技術の進歩は需要そのものを減らしている。国内では計画を上回る、または無計画な生産が続き、難しい課題となっている。                                         YAHOOニュース より抜粋