2012年4月

レアアースをめぐる駆け引き、日本はカザフと手を結ぶ=中国 

中国のレアアース(希土類)問題をめぐり、世界貿易機関(WTO)は26日に最後の協議を行った。日本は中国への依存から脱却するため、カザフスタンと共同でレアアース生産を計画しており、中国メディアの財訊は29日付で、レアアースをめぐる駆け引きは今も続いていると報じた。

日本はカザフスタンとレアアース鉱山を新規開発するため、枝野幸男経済産業大臣は5月にカザフスタンを訪問する予定だ。米国、欧州連合(EU)、日本はレアアースの輸出制限に関して中国を世界貿易機関(WTO)に提訴しているが、中国政府は「レアアースの管理政策は環境資源の保護に基づいており、WTOの規則に合致している」と反論している。

中国政府は近年、レアアース資源の管理を強化しているが、実はそうせざるを得ない事情もある。中国は世界で使用されているレアアースの97%を供給してきたが、レアアース鉱石に含まれている放射性物質のトリウムが深刻な環境汚染を招いているからだ。

しかし、レアアースは中国にのみ存在するわけではない。中国、米国、ロシア、オーストラリアのレアアース埋蔵量はそれぞれ全世界の36%、13%、19%、5.5%だ。

レアアースをめぐって脱中国の動きが加速するなか、中国は今後、WTOの規則に従いつつ管理を徹底することで、国際市場へのレアアース供給を続けていく姿勢を示しているほか、米国や日本をはじめとする先進国に対して技術協力を要請している。                                             YAHOOニュース より抜粋

使用済みバッテリーからレアアースを回収 ホンダが技術確立し実用化

ホンダは17日、重化学工業メーカー「日本重化学工業」(東京都中央区)と共同で、自社製品の使用済みバッテリーからレアアース(希土類)を抽出する技術を世界で初めて確立したと発表した。今月下旬から実際に抽出作業を始める。

世界生産量の9割超を占める中国がレアアースの輸出を規制したことで価格が高騰する中、“自給自足”でレアアースの安定供給を図る。

具体的には、ホンダが国内の販売点や海外から回収したハイブリッド車(HV)用ニッケル水素バッテリーを日本重化学工業の小国事業所(山形県小国町)に輸送し、同事業所で解体、粉砕などを経てレアアースやニッケルなどを抽出する。

使用済みバッテリーに含まれるレアアースの回収率は80%以上で、抽出されたレアアースは鉱山から採掘・精製したものと同等の純度だという。

ホンダは今後、抽出したレアアースをニッケル水素バッテリー以外の自社製品にも再利用したり、モーターに含まれるレアアースの一種、ネオジムを抽出したりすることも検討する。                                                   YAHOOニュース より抜粋

中国がレアアース輸出の組織的統制に乗り出す

中国のレアアース関連業務を担当する中国希土類産業協会が設立した。中国国営新華社通信は9日、13の協会と国営企業を中心に155の企業が参加して作られた同協会が8日に北京で設立式を行ったと報道した。協会は今後レアアース価格を策定し関連企業の計画順守と統制の役割を担う予定だ。

レアアースは先端産業のビタミンと呼ばれる非鉄金属鉱物だ。熱を伝導率が高く化学的に安定しており、半導体や二次電池を利用するハイブリッドカーのエンジンやテレビ、スマートフォンなどの材料に使われる。

中国工業情報化部の蘇波副部長は、「レアアース分野の健全で持続可能な発展のために作られた」と設立目的を明らかにした。また、「レアアース採掘による環境汚染処理費が約380億元に達する」として環境汚染を防ぐための措置であることを強調した。

だが、中国政府の最大の目的は、増加している国際貿易摩擦と紛争に組織的に対応するためのものとみられる。世界のレアアース供給量の90%以上を占めている中国が供給を大幅に縮小しながら価格が急騰している。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアアースのジスプロシウムをゼロにした高性能磁石材料 戸田工業が開発

戸田工業は、世界最高水準の保磁力性能を持つジスプロシウムフリーのネオジ系レアアース磁石材料を開発した。

この高性能ネオジ系希土類磁石材料は、HDDRプロセス(水素化・相分解・脱水素・再結合)で生産されるもので、レアアースの中でも特に高価で入手困難なジスプロシウムの含有量を完全にゼロにした高性能磁石材料となる。

同社は既にHDDRプロセスによる高性能ネオジ系希土類磁石材料を中国の天津工場で生産し、ハイブリッドカー(HV)のモーター向けに供給している。今回開発したネオジ系レアアース磁石材料は、既存のHDDRプロセスにより生産できるため、生産コストも低減でき、経済性、実用性に優れた材料となる。HVなどのエコカーや省エネ家電向けに供給を目指す。

同社は、現在の年間生産能力50tを2013年に向け500t規模になるよう投資を検討、将来に向けては年産2000t、100億円規模の事業を目指す。                                                   YAHOOニュース より抜粋