2014年3月

レアアース市場で中国の影響力が低下、各国の新素材開発や供給元開拓で

2014年3月12日、ドイツ紙ディ・ヴェルトによると、希土類(レアアース)市場における中国の占有率と影響力が低下している。14日付で新華網が伝えた。


4年前、中国はレアアース市場で独占的な地位を占めていたが、輸出制限や採掘制限を実施。世界各国はレアアースに変わる素材の開発を進めてきた。11年にはレアアースの価格が大幅に上昇、各国は中国に代わる供給元を求め、世界で新たに440カ所以上の鉱脈が発見されている。

ドイツ連邦地球科学・天然資源研究所(BGR)のデータによると、世界のレアアース市場では、10年には中国産が97.6%を占めていたが、13年には92.1%にまで低下。米国産とロシア産のシェアは、13年にはそれぞれ4.3%と2.3%に上昇した。中国は依然としてレアアース市場で強大な市場コントロール力を維持しているものの、競合などによって徐々にその影響力とシェアを落としている。

世界全体の採掘量は、09年には13万3500トンだったが、13年には9万500トンにまで減少。同研究所は、現在の生産レベルを維持すると、すでに確認されている埋蔵量だけで285年分に相当すると試算している。                                         YAHOOニュース より抜粋

レアアース調達で「脱中国」進める日米 調達先の多元化や自国生産に舵

米国、カナダ、オーストラリアなどでレアアース開発ブームが起こっている。日本企業は調達先の多元化や代替品の使用を進め、レアアース価格変動のリスクを避けながら調達確保を図っている。今年はレアアースの「中国依存脱却」が一段と進むだろう。3月7日、中国有色金属報が伝えた。

尖閣諸島で漁船衝突事件が起きた2010年9月以前、日本はレアアース需要の90%近くを中国に頼っていた。その後、中国がレアアースを外交カードとして使い、日本への輸出を減らしたことが、日本のレアアース調達先多元化のきっかけとなった。2012年、日本の中国への輸入依存度は56%まで減った。

双日は2013年秋、オーストラリアからレアアースの輸入を開始。豊田通商も今年、インドでの生産を計画している。とはいえ、これら国家のレアアース量は中国を大きく下回る。

尖閣事件後、日本は軽レアアースの調達先を他国に切り替えたが、重レアアースは依然として中国に依存している。特にハイブリッド車や電気自動車に使われるジスプロシウムは、新エネ車の開発と普及に欠かせない原料だ。

2月上旬、米上院議員が、中国へのレアアース依存を減らすための「2014年全国レアアース協力法案」を提出した。議員たちは、中国が世界のレアアース市場を独占し、米国経済と国家安全に悪影響を及ぼしていると考える。レアアースは軍事製品やハイテク電子製品にも広く使われるためで、法案は米国でのレアアース生産を促進し、経済の安定成長と雇用を確保すると同時に、国家の安全を守ることを求めている。

日米のこれらの動きは今のところ、中国の立場を揺るがしていないが、中国のレアアース業界は近年伸び悩み、価格の下落が進んでいる。
中国のレアアースは国内外からの影響を受けている。需要と設備能力のバランスが崩れ、技術の進歩は需要そのものを減らしている。国内では計画を上回る、または無計画な生産が続き、難しい課題となっている。                                         YAHOOニュース より抜粋

日本のレアアースの中国依存は今も続いている

2014年3月3日、米爾網によれば、以前は「チャイナリスク」の代名詞ともなった「レアアース」(希土類元素)は現在、話題に上ることがなくなっているものの、日本のレアアースにおける中国依存は依然として続いているという。

日本はレアアースの9割近くを中国からの輸入に依存しているが、2010年9月に起きた「尖閣諸島中国漁船衝突事件」をきっかけに、中国が外交カードとしてレアアースの対日輸出を禁止する措置に出たことで供給不足を懸念する騒動が起きた。一時は価格が数倍にまで跳ね上がり、混乱は2011年夏まで続いた、

レアアースの輸入を一国に依存するリスクが指摘され、その後は買い付けルートの多様化が図られたが、品質などの問題から現在も日本の中国への依存は続いている。東京大学生産技術研究所の岡部徹教授は「レアアース輸入で日本の企業が中国に弱みを握られている状況は変わっていない」と指摘している。                                         YAHOOニュース より抜粋

中国のレアアース業界に厳しい試練、「需要と生産の不均衡」「技術進歩が消費の減少招く

中国の経済系メディア・中金在線は4日、2014年の中国のレアアース産業が、米国などの開発強化、日本の供給ルート多元化などによって「さらに厳しい試練に直面することとなる」と報じた。

記事は、2010年に尖閣諸島海域で起きた漁船衝突事件以降、中国が日本に対してレアアース輸出制限という外交カードを切ったことにより、約90%を中国の供給に頼っていた日本のレアアース業界が供給源多元化を模索し始め、12年には依存度が56%にまで下がったと紹介。

13年秋には、日本の商社がオーストラリアからの輸入を開始し、14年にはインドでの産出計画もあると伝えた。 

また、今年2月に米国上院で対中国レアアース依存の軽減、雇用の創出などを目的とした「全国レアアース協力法案」が提出されたとし、その背景には「中国による世界のレアアース市場独占状態は米国の経済や安全に悪影響をもたらす」という認識があると解説した。

記事は、日本の供給源多元化戦略ではジスプロシウムなど重要なレアアースを賄いきれず、中国依存の完全脱却は難しいこと、オーストラリアやインドで産出されるレアアースは中国産より質が悪いことなどを挙げ「日米のレアアース戦略はいまだ中国の地位を動揺させていない」と論じた。

その一方で、一部レアアース価格が下落していることを紹介したうえで「業界の疲弊がいささかの変化の前触れを示している」とした。

そして、中国の業界は現在「需要と生産量のアンバランスが市場を疲弊させ、技術の進歩がレアアースの消費量を減らしている」という対外的な影響、「計画超過、あるいは無計画な生産が増額の50%を占めている」という国内的な影響を同時に受けており、「2014年、中国のレアアースはさらに厳しい試練に直面することになる」と結論づけた。                                         YAHOOニュース より抜粋