2012年2月

中国がレアアース産業支援政策を発表、高付加価値化を発展の核に

中国工業情報化部は22日、『新材料産業「十二五(第12次5カ年計画)」発展計画』を発表し、第12次五カ年計画(2011~15年)の期間中、レアアース産業の重点的な発展を目指し、レアアース製品の付加価値を上げることを発展の核にすることが明らかになった。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

『計画』によると、レアアースの川下産業に関して、高付加価値製品の生産能力を上げる一連の目標を掲げ、レアアースの永久磁石材料の生産能力を1年当たり2万トンにする目標などが含まれている。永久磁石とは、一旦「着磁」作業を行なうと、長期に渡って磁力を保持し続ける物体の事であり、レアアースは永久磁石の新たな材料として注目を集めている。その用途は、モーター、センサー、能動型磁気ベアリングなど多方面にわたる。

また、永久磁石はレアアースの性質を利用した4大高付加価値の応用範囲のひとつであり、応用の規模も将来性も大きい。

レアアースの専門家である劉鋭星氏は昨日、「真にレアアース産業に膨大な利益をもたらしてくれる分野は、高付加価値・ハイテクノロジーの新材料・レアアースの加工である。工業情報部の計画は、この分野の発展を促進する政策の全盛期をしっかり見定めている」と述べ、「長年にわたる混沌とした管理体制、劣悪な価格競争が終わり、レアアースの生産と輸出をコントロールする政策が発表され、中国のレアアース川下産業にとっては好条件となった。これによって、国外が望んでも手に入らない『供給のメリット』を活かす事ができる」と指摘した。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアメタル「タンタル」福岡県が再資源化事業

福岡県は15日、三井金属鉱業(東京)と県内の廃棄物中間処理会社と共同で、使用済み産業用電子機器からレアメタル(希少金属)のタンタルを回収、再資源化する事業を今月から、リサイクル産業の集積地「エコタウン」がある大牟田市で開始すると発表した。

タンタルは国内で使用されている量の全てを輸入に頼っており、県は「価格が高騰しているレアメタルの安定確保につなげたい」と意気込んでいる。三井金属鉱業によると、このような取り組みは世界初という。

タンタルは、スマートフォン(高機能携帯電話)やパソコンなどの基板にあるコンデンサーの製造に欠かせない金属。近年、IT事業の振興を背景に価格が高騰しており、1月末の相場はタンタル1キロ当たり約4万円という。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアアース、値上がり続くも価格底打ち判断には慎重 

中国のレアアース価格は11月中旬から、供給引き締めに伴って上昇に転じているが、川下にある永久磁石メーカーは、価格底打ちに対する判断に慎重だ。中国証券網が伝えた。

百川資訊網によると、11月初めからこれまでに、酸化プラセオジム・ネオジム、酸化ジスプロシウム、酸化テルビウム、酸化ユウロピウムなどは軒並み大幅に値上がりした。中でも、酸化ジスプロシウムは11月初めの1トン230万元から前週末時点で1トン350万元に達した。酸化プラセオジム・ネオジム、酸化ジスプロシウム・鉄の価格上昇幅も30%を超えた。また、希少品種のうち、酸化テルビウムの価格は22%高の1トン550万元、酸化ユウロピウムは25%高の1トン750万元に達した。

記者が取材で把握したところによれば、今回の上昇相場は11月のマクロ経済データが上向いた上に、レアアース企業が生産制限や相場維持を行ったことが背景にある。今回の相場が続いていくかどうかは、この価格反発が川下企業の在庫補充時期である2013年第1四半期まで続くかどうかによって決まる。

レアアースが軒並み反発したのはレアアース企業の生産制限が理由であるため、レアアースの川下産業の需要回復はまだ時間がかかる。

調べでは、レアアースの主要応用分野は永久磁石、合金、触媒などで、中でも、永久磁石と合金は最大のレアアース消費産業だ。世界の2011年のレアアース消費量は11.8万トンだった。現在、中国のレアアース生産能力は9万~10万トンを維持している。レアアースのうち、ネオジム、ユウロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、イットリウムは供給が不足し、また中重レアアースは構造的な供給不足に直面しており、レアアース市場価格安定メカニズムに影響を及ぼしている。

正海磁材の関係者は記者に対し、「わが社の原材料の77%はレアアースによるものだ。ただ、その需要はいまなお改善していない」と語った。現在のレアアース相場の持ち直しに対して「価格が底を打ったかどうかは判断できない」と語り、慎重な見方を示した。また、LED電灯用レアアース発光素材を製造する科恒実業は、原材料の80%をレアアースでまかなっている。ただ、同社の受注はまだ回復していない。

永久磁石産業の川下にある風力発電企業が経営難に直面し、海外需要も低下していることは、レアアースの川下需要が大幅に改善していないことを示している。                                                   YAHOOニュース より抜粋

韓国、昨年の中国からのレアアース輸入量は前年比30.6%増

SHANGHAI(MRB.ne.jp)2012-02-09, 韓国関税庁の発表によると、韓国の昨年の中国からのレアアース輸入量は2816トンで前年比30.6%増。同国のレアアース輸入量の78.3%が中国からとなり前年比で12.7ポイント増加した。このほか、マグネシウムの輸入の中国比重が高く、総輸入量の99.2%を占めている。タングステンも比重が高く輸入量の74.7%を中国に頼っている。

三菱電機、レアアース回収を事業化 価格高騰、調達不安に対応

三菱電機は8日、使用済みルームエアコンのレアアース(希土類)回収技術を開発し、4月から回収を事業化すると発表した。エアコンの省エネ性能を高めるのに欠かせないレアアースは、中国が生産・輸出規制を強化したため価格が高騰し、入手しにくい状態が続いている。そんな中、国内でリサイクルできる態勢を構築し、将来的にはレアアースの“自給自足”を目指す。

三菱電機が開発したのは、ルームエアコン用圧縮機のローター(回転子)に含まれるレアアースの一種、ネオジムを分離する自動解体装置。千葉市のリサイクル工場「グリーンサイクルシステムズ」に設置し、国内各メーカーの使用済みルームエアコンのレアアースを回収する。

同社は昨年、レアアースの価格高騰と調達不安を理由に家庭用と業務用エアコンの新製品の値上げを表明した。今後は自社製品に回収したレアアースを再利用することを検討するほか、レアアースの回収量を増やすために使用済みハードディスク駆動装置(HDD)から回収することも検討する。                                                   YAHOOニュース より抜粋