2012年12月

携帯電話、デジカメなど対象に=小型家電リサイクルで―環境、経産両省

環境、経済産業両省は13日、レアメタル(希少金属)などを含有する使用済み小型家電のリサイクル制度開始に向けた指針案を、中央環境審議会(環境相の諮問機関)と産業構造審議会(経産相の諮問機関)の合同会合に提示した。効率良く金属を取り出せることから、特にリサイクルすべき品目として、携帯電話やデジタルカメラ、パソコン、ゲーム機などを挙げた。

制度は、市町村が任意で回収した使用済み小型家電を認定業者が引き取り、金属資源を集める仕組み。2013年4月の開始を目指す。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアアース、値上がり続くも価格底打ち判断には慎重

中国のレアアース価格は11月中旬から、供給引き締めに伴って上昇に転じているが、川下にある永久磁石メーカーは、価格底打ちに対する判断に慎重だ。中国証券網が伝えた。

百川資訊網によると、11月初めからこれまでに、酸化プラセオジム・ネオジム、酸化ジスプロシウム、酸化テルビウム、酸化ユウロピウムなどは軒並み大幅に値上がりした。中でも、酸化ジスプロシウムは11月初めの1トン230万元から前週末時点で1トン350万元に達した。酸化プラセオジム・ネオジム、酸化ジスプロシウム・鉄の価格上昇幅も30%を超えた。また、希少品種のうち、酸化テルビウムの価格は22%高の1トン550万元、酸化ユウロピウムは25%高の1トン750万元に達した。

記者が取材で把握したところによれば、今回の上昇相場は11月のマクロ経済データが上向いた上に、レアアース企業が生産制限や相場維持を行ったことが背景にある。今回の相場が続いていくかどうかは、この価格反発が川下企業の在庫補充時期である2013年第1四半期まで続くかどうかによって決まる。

レアアースが軒並み反発したのはレアアース企業の生産制限が理由であるため、レアアースの川下産業の需要回復はまだ時間がかかる。

調べでは、レアアースの主要応用分野は永久磁石、合金、触媒などで、中でも、永久磁石と合金は最大のレアアース消費産業だ。世界の2011年のレアアース消費量は11.8万トンだった。現在、中国のレアアース生産能力は9万~10万トンを維持している。レアアースのうち、ネオジム、ユウロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、イットリウムは供給が不足し、また中重レアアースは構造的な供給不足に直面しており、レアアース市場価格安定メカニズムに影響を及ぼしている。

正海磁材の関係者は記者に対し、「わが社の原材料の77%はレアアースによるものだ。ただ、その需要はいまなお改善していない」と語った。現在のレアアース相場の持ち直しに対して「価格が底を打ったかどうかは判断できない」と語り、慎重な見方を示した。また、LED電灯用レアアース発光素材を製造する科恒実業は、原材料の80%をレアアースでまかなっている。ただ、同社の受注はまだ回復していない。

永久磁石産業の川下にある風力発電企業が経営難に直面し、海外需要も低下していることは、レアアースの川下需要が大幅に改善していないことを示している。                                                   YAHOOニュース より抜粋

中国レアアース寡占に風穴か 米国産“復活”で各国の期待膨らむ

ハイテク製品などの製造に欠かせないレアアース(希土類)。最大産出国の中国が外交カードに利用する中、米国の資源会社が増産に乗り出した。一時は中国との競争に敗れたものの、市況の回復を受けて“復活”した米国産レアアース。中国の寡占状態に風穴をあけることができるか期待が寄せられている。(米カリフォルニア州マウンテンパス 柿内公輔)

荒涼とした大地がどこまでも続き、人家はおろか建物一つ見当たらない。ネバダ州ラスベガスから車でひたすら走ること1時間。広大なモハベ砂漠に圧倒されながら、州境を越えカリフォルニア州に入ると、道路脇のせり上がった丘陵にようやく建物が見えた。米資源会社モリコープが運営するマウンテンパス鉱山だ。

「増産の準備で、皆大忙しで働いているよ」 ロッキー・スミス工場長の運転する車に乗り換え、赤茶けた岩肌を縫うように走り出すと、方向感覚がなくなった。敷地面積約9平方キロ、東京ドーム約200個分の広さを実感させられる。やがて車はひときわ小高い地点で止まり、歩き出して足が思わずすくんだ。すり鉢状の採掘場は深さ500フィート(約150メートル)。見下ろす岩盤がまさにレアアースの鉱床だが、すぐにレアアースそのものが掘り出せるわけではない。

鉱石にはレアアースと不純物が混じり合っている。採掘した鉱石は近くの施設に運ばれ、「破砕や最新技術による複雑な工程を経ながら純度を高め、各種のレアアースに精製される」(スミス工場長)。そのためのプラントが敷地内に点在し、レアアースの精製が想像以上に大がかりであることが肌で感じとれた。

実際に、レアアースの一つのネオジムを指でつまむと、鉱物というよりも、きな粉のような触感だった。レアアースの精製には大量の水が必要だが、かつて環境汚染を招いた教訓を生かし、処理水を敷地内で再利用するなど、「環境と安全に配慮した操業に努めている」とスミス工場長。常勤作業員で約400人、建設作業員を含めれば1300人超が汗を流す現場は、活気に満ちていた。

マウンテンパス鉱山の歴史は古く、操業開始は1952年にさかのぼる。この鉱山で精製されたレアアースは世界各国のカラーテレビの素材に使われるなど、一時は世界の需要をほぼ一手に担うほどの隆盛を極めた。だが、やがて鉱山とモリコープを取り巻く事情が激変する。レアアースを戦略資源に位置づけた中国が、1990年代から安価な労働力を武器に輸出攻勢をかけたのだ。マウンテンパス鉱山はこれにひとたまりもなく、競争力を失って、2002年にいったん閉山の憂き目に遭った。今では中国が世界生産の9割超を占めている。

米国産レアアースの灯も消えたかに見えたが、携帯電話などのハイテク製品をはじめレアアースの用途が格段に広がったことで、市況が回復。息を吹き返したモリコープはレアアース市場に再参入を果たし、鉱山は09年に再開された。同社は新施設による増産も決め、年間約2万トンの生産能力を来年半ばには倍増させる計画だ。マーク・スミス最高経営責任者(CEO)は「現在当社の世界シェアは5%前後だが、増産後は約3割まで引き上げられるだろう」と意気込む。

足元のレアアース価格は、中国が輸出制限を実施して高騰した昨年と比べればやや弱含んでいるが、それでもかつての低迷期からは立ち直り、スミスCEOは「マウンテンパスは世界でも最も豊かな鉱床の一つ。今後も長期間にわたり生産が見込める」と自信を深めている。

モリコープと米国産レアアースの復活劇は、市場を牛耳る中国にいいように振り回されてきた各国にとっても朗報で、中でも強い期待を寄せるのが、同社の“上得意”の日本だ。モリコープは昨年、米国以外で生産したレアアースを含め、約6割を日本向けに出荷した。スミスCEOは「日本は古くからの友人であり、世界のレアアース産業においても重要な市場だ」と強調する。

日本は中国の輸出規制を痛い教訓として、約9割を中国に依存しているレアアースの調達先の多様化を急ピッチで進めている。たとえば、インド政府が最近、レアアースの対日輸出を正式承認したほか、カザフスタンでは住友商事などによってレアアース精製施設が建設され、年明けに日本への輸出が始まる。大手商社が中心となり、世界各地でレアアースの開発プロジェクトが進行している。

これらにより、年間3万トン弱とされる国内需要を抱える日本は来年以降、少なくとも年間約1万3千トンを確保できる見通しで、国内需要の5割近くを中国以外から調達できるめどが立ちそうだ。枝野幸男経済産業相も11月12日の国会答弁でそうした見通しを明らかにした上で、「さらに調達先の多様化や権益の確保を進めたい」との考えを示した。

日本は米国や欧州連合(EU)と今年3月、中国がレアアースの輸出規制を不当に実施したとして世界貿易機関(WTO)に提訴したが、中国側は「環境や資源の保護が目的だ」と反発。その後、中国は輸出枠を拡大するなど、外圧をかわす動きもみせている。とはいえ、日本の産業界にとっては、日中関係の悪化などで今後も中国とのレアアースの取引が不安定になるリスクは強まっている。米国産レアアースを含めた調達先の拡大は急務の資源政策となりそうだ。                                                   YAHOOニュース より抜粋