2013年12月

中国商務省、レアアースの過剰な輸出枠を設定 日米などの「脱中国」に危機感か

中国商務省は29日までに、戦略資源と位置づけているレアアース(希土類)の2013年上半期の輸出枠を1万5501トンに設定した。12年の中国のレアアース輸出実績は約1万3千トンと過去10年間で最低を記録。3万996トンだった12年通年の輸出枠は半分以上が使われずに終わる。商務省は需給バランスに見合わない過剰な輸出枠を設定した形だ。

レアアースはスマートフォン(多機能携帯電話)などハイテク製品やエコカーなどの製造に欠かせない材料。

だが、10年9月に起きた中国漁船衝突事件で、中国が“制裁措置”としてレアアースの対日輸出を規制したことを受け、日米などは代替技術の開発や中国以外から資源を調達する「脱中国」を進めた。中国はこうした国際社会の反応に危機感を強め、供給増を図ったものとみられる。

日系企業幹部によると、中国の業者から安値でのレアアース輸出を持ちかける商談が増えているという。10年までは中国がレアアースの世界需要量の9割を供給し、日本が最大の輸出先だった。

昨年から今年にかけて国際市場価格の大幅な下落も続いている。

中国のレアアース輸出規制問題では日米欧が今年3月、世界貿易機関(WTO)に提訴した。輸出枠拡大には国際的な批判をかわす狙いもありそうだ。                                                   YAHOOニュース より抜粋

レアアース輸出割当量、来年も現行水準の維持へ

2013年12月24日、中国新聞網は記事「中国商務部:2014年のレアアース輸出割当量は現状維持の方針」を掲載した。

23日、中国商務部は定例記者会見を開催した。瀋丹陽(シェン・ダンヤン)報道官は214年のレアアース輸出割当量は基本的に現状維持の方針だと明かしている。

中国は世界生産量の大半を担うレアアース生産大国。2010年の尖閣諸島沖中国漁船衝突事故後には報復措置とみられる日本への実質的な禁輸を実施したほか、輸出量を規制する動きを強めたことが注目を集めた。

しかしその後は中国リスクを回避するべく他国でのレアアース採掘が活発化したほか、代替品の開発も進み、レアアース需要は低迷した。そのため2013年1~10月の中国レアアース輸出量は1万7911トン。輸出割当量の57.8%しか使用されていない。

中国商務部は13日に2014年レアアース輸出割当量の第1回分を発表したが、ほぼ前年と同量の数値となった。第2回分もあわせ2014年全体でも前年とほぼ同水準になるとみられている。                                         YAHOOニュース より抜粋

中国「レアアース王国」崩壊危機 日本と形勢逆転…HV誘致で技術狙う

「中国を批判するなら世界貿易機関(WTO)から直ちに脱退せよ」「日米欧も対中ハイテク輸出を規制している」。今年10月、中国によるレアアース(希土類)輸出規制を不当として共同提訴していた日本と米国、欧州連合(EU)の主張をWTOが大筋で認め、中国に是正勧告する中間報告をまとめたとの報道に、中国版ツイッター「微博」で一斉に反発の声が上がった。レアアースはハイブリッド車(HV)やIT(情報技術)機器に欠かせない材料であり、日本企業はかつて90%以上を中国産に頼ってきた。

WTOに2001年に日米欧の支援で加盟した中国はその際、レアアース輸出税の原則撤廃を取り決めていた。だが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での10年9月の中国漁船衝突事件を受け、日本などに事実上の禁輸措置を取り、“外交カード”をチラつかせて牙をむいた。

WTOは中国の約束違反を突いたが、実はWTOで審議が行われているうちに、中国にとって最大の輸出先だった日本が海外調達先の多様化やリサイクル技術開発などで対中依存度を大幅に減らし、形勢が逆転した。

「輸出はボロボロ。お手上げだ」。中国のレアアースを扱う貿易会社の台湾人経営者(46)は嘆いた。中国政府が定めた今年の輸出枠は3万1001トンだが、実際の輸出量は半分以下の1万5000トンにも届きそうにない。輸出量が輸出枠を割り込むのは3年連続となる。

しかも、1トン当たりの平均価格が前年比60%以上も下落。内モンゴル自治区では7月、最大手の包鋼稀土高科技がレアアース鉱石選別場の操業停止に追い込まれるなど、中国レアアース業界は崖っぷち。WTOや日米欧を非難するネット上のコメントは、数年前まで市場を支配した「レアアース王国」崩壊の危機へのいらだちとも読める。

だが、中国は起死回生の戦略を練っている。「お手上げ」と話した台湾人経営者は2月、レアアース産地である江西省のある街の役所で、日本人のビジネスマン数人とすれ違った。「確か日本で会ったことがある」

この町で日本人を見るのは珍しい。経営者は地元政府の幹部を酒席に誘い、内部情報を聞き出した。「日本の自動車部品や電子部品の大手企業に、産地でのレアアース加工合弁事業を誘致している」。この時点で既に数社が積極的になっていたという。役所で見かけた日本人は以前、レアアースを納入した自動車部品大手の担当者だった。

地元政府が描いたシナリオはこうだ。地元企業との合弁でHV向け部品工場を江西省につくらせ、HV製造に欠かせない最先端のレアアース加工技術を日本から持ち込ませる。輸出に頼らずレアアースを国内で売り、高度な加工技術も取得する。日本へのしたたかな巻き返しが始まっていたのだ。

自動車業界関係者は、こうした部品メーカーのレアアース産地への工場進出は、大手完成車メーカーの意向に基づくと話した。中国は今年、歴史上世界で初めて新車販売台数が2000万台を超えることが確実。一方で昨年秋の反日デモによる不買運動で、日系ブランド車は中国で苦戦が続く。「江西省でレアアースを使う工場を建設する見返りに、中国のHV販売での優遇措置を与えるとの取引をもちかけられた」という。

こうした作戦は江西省に限らない。別のレアアース産地である内モンゴル自治区や広東省でも、地元政府が日本の電子部品大手に、市場参入への便宜や税制面などの優遇と引き換えに、工場進出を働きかけている。

巨大な成長市場への切符をチラつかされれば、経営者の心は揺れる。門外不出だったはずの貴重なレアアース加工技術をあっさり中国に持ち出すことに、台湾人経営者は驚きを隠さなかった。中国の“ささやき”に高度な技術をもつ日本企業が続々と応じるようになれば、中国からみてレアアース輸出が不調でも、国内で加工から製品化、販売まで完結できる上、レアアース国際価格の下落に歯止めがかけられる。WTOの勧告も中国国内の取引には及ばない。

中国の最高指導者だったトウ小平は1992年に、「中東に石油あり。中国にはレアアースあり」と豪語し、戦略性の高いレアアースの使い道を訴えた。WTOも「ノー」をつきつけた禁輸措置のみならず、野放図な拡大路線で生産能力が世界のレアアース需要の3倍に達し、国際社会からもしっぺ返しされた“外交カード”だったが、中国は国内完結型という新たな手法で巻き返しに躍起になっている。                                         YAHOOニュース より抜粋

中国のレアアース輸出枠、14年前半は微減の1万5110トン

中国商務省は13日、2014年1~6月のレアアース(希土類)の輸出枠を、2013年の同期間より2.5%少ない1万5110トンにすると発表した。中国のレアアース輸出量は輸出枠を下回ることもあり、2012年通年の輸出量は、3万966トンの輸出枠に対し1万6265トンにとどまった。                                         YAHOOニュース より抜粋

北朝鮮で大規模なレアアース鉱床発見か…潜在価値は数兆ドル

証券時報網によれば、北朝鮮でこのほど大規模なレアアース(希土類)鉱床が発見された。鉱物の埋蔵量は推定で60億トン、レアアースは2億162トンにのぼり、数兆ドルの価値があるとみられている。

レアアースはハイブリッド自動車や電気自動車のモーターなど、先端技術やハイテク製品に必要不可欠な物質だ。レアアースの主要輸出国である中国がレアアースを戦略資源と位置づけているとおり、レアアースは希少価値の高い物質だ。

米国の地質資源調査局によれば、北朝鮮にはレアアースのほかにも多くの鉱物資源が埋蔵している。北朝鮮が保有する主要鉱物は、石炭、銅、金、黒鉛、マグネサイト、亜鉛など約20種類で、マグネサイト(40億トン)は世界2位、黒鉛(200万トン)は世界3位、タングステン(16万トン)は世界6位の埋蔵量があるとされる。

北朝鮮は2011年、肥料やトウモロコシと引き換えに国内のレアアース鉱山の開発権を中国に渡した過去があるものの、今回の大規模なレアアース鉱床の発見を受け、北朝鮮のSREミネラルズ社は北朝鮮の貿易会社と共同で、レアアースの開発と輸出を行う合弁企業を英バージン諸島に設立した。                                         YAHOOニュース より抜粋