レアアース磁石で新組成 袋井・静岡理工科大

レアアース磁石で新組成 袋井・静岡理工科大

静岡理工科大(袋井市豊沢)は11日、自動車用モーターや通信機器などに幅広く使われているレアアース(希土類)磁石の新しい組成を発明したと発表した。希土類の含有量を大幅に減らしても、高性能を保てることを証明した。実用化されれば供給不安のある希土類の消費量低減、磁石の用途拡大に期待が広がる。

研究グループは同大理工学部物質生命科学科の小林久理真教授(63)ら4人。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けた。

同大によると、希土類磁石の主流は「ネオジム磁石」で、全体の約90%を占めている。用途は風力発電装置や家電製品など多岐にわたるが、温度上昇とともに磁力が失われてしまう課題があった。研究グループは希土類の量を従来のネオジム磁石の約半分に削減し、磁力を高める鉄とコバルトを多く加えた組成を開発。高温でも高い磁力を発する特性を持たせた。これまでに実用化されている希土類磁石の組成は数例のみで、研究成果は既に別の学者らの論文にも引用されているという。小林教授は「宇宙産業への展開など、活躍の分野は増えると思う。実用化には製造技術の確立が課題」と話した。                                         YAHOOニュース より抜粋