2012年6月

南鳥島周辺でレアアースの泥 EEZ内で初

日本の最東端の南鳥島(東京都小笠原村)周辺の排他的経済水域(EEZ)内の海底に、ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)を大量に含む泥の大鉱床があることを東京大の研究チームが発見した。同様の泥は南東太平洋の公海上などで見つかっていたが、日本のEEZ内では初。国内の年間消費量の200年分を超える埋蔵量とみられ、採掘が実現すれば中国からの輸入依存を脱却できる可能性がある。

発見したのは東大大学院の加藤泰浩教授(地球資源学)ら。東京都内で開催中の資源地質学会で28日、発表した。

国際共同研究などで採取された南鳥島周辺のEEZ内の海底ボーリング試料を分析した結果、島の南西約310キロ、水深約5600メートルの海底の泥に最大約1700ppm、平均約1100ppmの高濃度でレアアースが含まれることを突き止めた。

濃度や層の厚みなどから、周辺のレアアース埋蔵量は約680万トンと推定され、日本のレアアース消費量の約230年分に相当するという。また、島の北約180キロでも1千ppmを超える濃度の泥が見つかっており、加藤教授は「分布は広く、周辺には何千年かかっても使い切れないレアアースが眠っているとみられる」と話す。

レアアースは、ハイテク素材に少量添加するだけで性能が飛躍的に向上する。世界産出量の大半を占める中国は、平成22年9月に沖縄県の尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件後、日本向け輸出を一時停止するなど、外交カードとして利用しており、中国依存からの脱却は日本の急務となっている。

採掘技術の確立やコスト競争力が今後の課題だが、公海上ではなくEEZ内で見つかった意味は大きく、加藤教授は「さらに詳細な調査が必要だ」と話す。                                                   YAHOOニュース より抜粋

中国、価格安定に向けレアアースの備蓄を検討

中国は、レアアース(希土類)の価格を安定させるため、これらの金属の国家備蓄を検討している。1日付の中国証券報が、政府筋の話として報じた。

それによると、価格が下落した際に生産会社が余剰供給分を買い取り、価格上昇局面で売却するという戦略的な売買を工業情報省が検討している。

同省は、これによって2011年に見られたような激しい値動きを抑制したい意向という。

ただ同紙は、市場参加者の話として、レアアース生産で国内最大手の包鋼希土高科技<600111.SS>が昨年、同様の戦略を通じた価格の安定化に失敗していることに言及。

市場参加者は、違法な採鉱を取り締まり、取引プラットフォームを通じてレアアースの取引を監視する方が得策と指摘しているとも伝えた。

中国は世界のレアアース市場で95%のシェアを握っている。                                                   YAHOOニュース より抜粋